1998年3月24日、アメリカで英国サウザンプトン大学のマーチン・フライシュマン(62歳・当時)と米国ユタ大学のスタンレー・ボンズ(48歳・当時)という二人の電気化学者が「電気分解によって核融合を起こした」と記者会見をしたという記事が朝刊の片隅に載った。記事によれば、パラジウムと白金を電極として重水中で電気分解をおこなったところ、大量の熱が生じ、同じにトリチウム、ガンマ線も検出され、核融合が裏付けられたというのだ。
ヘリウム原子は陽子2個と中性子2個で構成されており、その質量数4.0015uである。陽子と中性子の質量はそれぞれ1.0073u、1.0087uであるから、これらの総和は(1.0073×2+1.0087×2)u=4.0320uである。一方ヘリウムの質量はこれよりも(14.0320-4.0015)u=0.0305uだけ小さい。これを質量欠損といい、アインシュタインの相対性理論によりE=mc^2のエネルギーが発生する。
実際の核融合反応では重水素が用いられている。重水素二つを強引に融合させてヘリウムを作るわけです。実際の過程ではまず、重水素と重水素が反応しトリチウムと水素ができ、次にトリチウムと重水素が反応してヘリウムと中性子ができます。したがって、核融合反応が生じているかどうかを確認するには、中性子かもしくはトリチウムが生成されているかどうかを確認すればいいわけです。
(注:u=原子質量単位 1.661×10^-27kg)
水素と重水素、トリチウム、ヘリウムの構造はFIG.1.のようになっている。
FIG.1.
イオン化傾向
「金属と陰イオンの電子を与える傾向。つまり水に溶けやすさ」
Na>Mg>Al>(H2+OH-)>Zn>S2->(Fe→Fe2+)>Ni>Pb>
H2>Cu>OH->I->(Fe2+ →Fe3+)>Ag>Br->H2O>Cl->Au
「陽イオン」
K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>(H)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au
「陰イオン」
NO3>SO4> (OH)> Cl> Br> I
ターフェルの式
水素の過電圧